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AI Search / GEO

GEOが新しいSaaS市場になり始めた──Profoundの$180M調達から見る「AI Visibility」とは?

著者
SaaS Shift 編集部
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最終更新
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約7分

この記事の要約

Profoundの大型資金調達を入口に、GEO・AI Visibility(AI回答での見え方)という新しいマーケツール市場がなぜ生まれているのかを、従来のSEOツールとの違いと、企業の始め方とともに整理します。

2026年9月15日、AI検索向けのマーケティングSaaS「Profound」が、約1.8億ドル(Series D)を調達し、企業価値約18億ドルと発表しました(Profound公式、Bloomberg)。本稿は調達額の速報ではなく、なぜ「AI Visibility(AI回答での見え方)」を測るソフトに、大きな資金が集まっているのかを整理します。

この記事でわかること:

  • GEO / AI Visibilityとは何か、SEOとの関係
  • Profoundと、似たサービスが何を測ろうとしているか
  • 「AIに引用された回数」だけで判断しない測り方
  • 日本企業が今すぐ買うべきか、の段階論

料金・機能は変わりやすいので、最終判断は各社公式を優先してください。

GEOGenerative Engine Optimization

生成AIの回答内で、自社ブランド・商品・コンテンツが言及・引用・推薦されやすい状態をつくる取り組みです。Google検索の順位を上げるSEOとは別のレイヤーで、代わりになるものではなく、足し算に近い位置づけです(詳細はGEOとは、SEOとGEO)。

Profoundが$180Mを調達

事実(会社発表): 約1.8億ドルのSeries D(後期の大型調達)、企業価値約18億ドル。主導した投資家はSequoia CapitalとKleiner Perkins。既存の投資家としてLightspeed、Khosla Ventures、South Park Commonsなども参加。約7か月前の約9,600万ドル調達(Series C)に続くラウンドです(公式発表)。

会社側の成長アピール(会社の主張): 大企業顧客1,000社超(Comcast、Estée Lauder、Walmartなど)、Fortune 100(世界の大企業トップ100)の3分の1超、など。売上の実額は非公開。二次報道では「前回調達以降、売上は約3倍」との会社コメントが伝えられていますが、公式発表本文には金額はありません。設立は2024年頃。

TechCrunchは2026年夏時点で、前回調達時点のユニコーン(企業価値10億ドル超の未上場企業)として紹介しています(リスト)。今回のSeries Dの詳細は、本稿では公式とBloombergなどを一次情報とします。

そもそもGEOとは?

GEOとは、生成AIの回答という新しい「見つけてもらう場所」で、ブランドが正しく・十分に登場するよう整えることです。

従来のSEO(検索対策):

ユーザー → Google → 検索結果の一覧 → 自社サイト

GEOのイメージ:

ユーザー → ChatGPT / Gemini / Perplexity
  → AIが書いた回答
     ├ ブランド名が出る
     ├ 出典として引用される
     ├ 製品が推薦される
     └ 他社と比較される
  → サイト訪問 / 購入・問い合わせの判断

Googleが消える、という意味ではありません。調べものの一部がAIの回答に寄ることで、検索順位以外の「どう見えているか」を追う必要が出てきた、という話です。

なぜGEOに専用SaaSが必要なのか

これまでのSEO用の計測ツールでは、AI回答の中身がほとんど見えないからです。

SEOでは Google Search Console、Google Analytics、Ahrefs、Semrush などで次を測れました。

  • どのキーワードで何位か
  • 検索結果に何回出たか(表示回数)
  • クリック率
  • 検索からのアクセス数
  • 他サイトからのリンク

一方、AI検索では次のような問いが残ります。

  • ChatGPTで自社は出ているか
  • 競合と比較されたとき、どちらが推薦されるか
  • どのWebページが根拠として使われているか
  • Geminiでは出るが、ChatGPTでは出ないのはなぜか

ここに、「AI回答での見え方を測るソフト」(AI Visibility / GEOツール / AEOツールなど、呼び名は複数)という新しい需要が生まれています。測る対象は、引用・ブランド言及・競合比較・質問ごとの露出などです。

Profoundは何をしている会社なのか

「AIでの順位だけを追うツール」ではなく、AI検索での見え方を見て、マーケ施策全体へ広げようとしている会社、と整理できます。

事実(会社説明): はじめは「買い手がAI経由でブランドをどう見つけるか」を知る分析ツールから始まり、いまは調査・文章作成・レポートを支援するエージェント機能や、広告まわりの機能まで広げると発表しています(公式発表、Series Dブログ)。

筆者の解釈: 自社の売り方としては「AI版のSearch Console」単体ではなく、AI時代のマーケ分析・作業台(調査から実行まで)へ広げようとしている、と読めます。投資家コメントも「AI検索から、マーケチーム全体の基盤へ」というトーンです。これは会社の野心であり、成功の保証ではありません。

AI Visibilityとは?

AI VisibilityAI可視性

生成AIの回答内で、ブランド・商品・企業・コンテンツがどの程度登場・引用・推薦されているかを把握する考え方です。「業界共通の公式スコア」はまだなく、各ツールが独自の質問リストや対象AI、集計ルールで測っています。

「検索1位」のような一つの数字ではなく、どの質問で・どのAIで・どんな言い方で・誰と比べて出るかをまとめて見るイメージに近いです。

SEOツールとGEOツールは何が違う?

測る対象が「検索結果の並び」か「AIが書いた回答の中身」か、が最大の違いです。
SEO時代とAI検索時代で、何を測るか(整理)
観点SEO(従来の検索)AI検索(GEO寄り)
見つけてもらう場所Googleなどの検索結果ChatGPTなどのAI回答
代表的なツールAhrefs / Semrush / Search ConsoleAI Visibility系ツール(Profoundなど)
主な測り方キーワード順位、被リンク、アクセス数質問ごとの露出、引用、ブランド言及、推薦、競合比較
見えにくいもの回答の中での推薦・比較のニュアンスクリックせずに終わる調べもの
GEOツールAI Visibility / AEO Software

AI回答におけるブランド言及・引用・推薦・競合比較などを監視し、必要ならコンテンツ改善や運用まで支援するソフトの総称です。GEO / AEO / AI Visibility など、呼び方は統一されていません。

SEOツールが不要になるわけではありません。検索エンジンにきちんと載ること、サイトが健全であることは、これまでどおり土台です。

GEO SaaSでは何を測定するのか

典型は「お客さんに聞かれそうな質問」に対して、自社が出るか・引用されるか・競合と比べてどうか、を見ることです。 そこに、好意的か否定的か、根拠URL、AIごとの差、足りないコンテンツ、などが乗ります。

測定の例:

  • 自社カテゴリの質問リストを何本カバーできているか
  • ブランド名がどれくらい出るか(露出のシェア)
  • どのページが根拠として使われるか(引用)
  • 競合はどれくらい出るか
  • ChatGPTとGeminiなど、AIごとの差

ただし AIに引用される回数が増えた=売上が増えた、ではありません(関連:Product PageとCitation)。

なぜ今GEO SaaSに大きな資金が流れているのか

筆者の解釈(断定しない): 投資家は「小さいGEO専用ツール」ではなく、「AI検索時代のマーケ基盤」として見ている可能性が高い、という整理です。

背景として語られやすいこと:

  • AIで調べる人が増えている
  • 企業側が「AIでどう見えているか」を知りたい
  • Google Analyticsだけでは、AI回答の中身は見えない
  • ChatGPTとGeminiなど、AIごとに答えが違う
  • SEOのときと同様、「測る道具」への需要が生まれる
  • 大企業のマーケ予算の一部が、こちらへ移る可能性がある
  • Profound自身も、分析から戦略・作業支援へ広げている

企業価値の正しさを証明する材料ではありません。新しい市場の入口で、計測の仕組みを先に握る賭け、という読み方が近いです。

「AI Citation」だけをKPIにしてはいけない

追うべきは「見えた」から「売れた」までの段階です。 Citation(引用)は、その途中の一つの数字にすぎません。

AIに名前・製品が出た
  → どういう文脈で語られたか
  → サイトに来たか(測れる範囲)
  → 見込み客になったか
  → 成約・売上になったか

GEO系SaaSが今後、「出てくる回数を数えるだけ」で止まるか、売上へのつながりまで示せるかが、大企業導入の分かれ目になる可能性があります(今後の予測)。

GEO版Ahrefs・Semrushは生まれるのか

筆者の解釈: SEOの歴史と重ねると、似た段階に見えます。

SEOが普及
  → SEOコンサルが増える
  → 順位や被リンクを測るSaaSが増える
  → 大企業向けの本格プラットフォームへ

AI検索が普及
  → GEOコンサルが増える
  → AIでの見え方を測るSaaSが増える
  → AI時代のマーケ基盤へ広がる可能性

「GEO版のAhrefs / Semrushは誰か?」は、市場として自然な問いです。Profoundが必ずその座を取る、とは言えません。競合も増えています。

タイプ例ざっくりした違い
最初からAI向け・大企業寄りProfound、Scrunch、Goodie など見え方の把握に加え、改善・運用まで広げる傾向
監視・分析に特化Peec AI、Otterly、AthenaHQ、LLMrefs など質問ごとの監視・比較の入口として使いやすい
従来SEO大手の拡張Ahrefs Brand Radar、SemrushのAI Visibility機能など既存のSEOツールに「AIでの見え方」を足す

「どれが1位か」より、監視だけ欲しいのか、改善まで欲しいのか、大企業の権限管理が要るのかで選ぶのが実務的です。

日本企業は今すぐGEOツールを導入すべき?

一律のYES/NOではありません。会社の規模で段階を分けるのが現実的です。
規模いまやること
小規模ChatGPT / Gemini / Perplexityで、お客さんに聞かれそうな質問を手で試す。結果を週次でメモする
中規模質問リストを固定し、定期的に同じ質問でチェックする(スプレッドシートでも可)
大規模複数のAIをまとめて見られる専用ツールを検討。権限管理や監査、競合比較が必要ならSaaS化

先に買うより、「自社カテゴリで、お客さんに聞かれそうな質問リスト」がないとツールは宝の持ち腐れになります。リストが先、ソフトウェアは後、です。

AI検索時代のMarketing Tech Stack

従来(よくある組み合わせ):

アクセス解析(GAなど)
+ Search Console
+ SEOツール(Ahrefs / Semrushなど)
+ 顧客管理(CRM)

これから(可能性):

上記に加えて
+ AIでの見え方を測るツール(AI Visibility)

置き換えではなく追加です。GEOだけ見てSEOを捨てる、は避けた方がよいです。

GEO SaaS市場は今後どうなる?

今後の予測(筆者考察): 市場は細かく分かれ得ます。

  • AI回答の分析全般
  • ブランド言及の監視
  • 引用(どのページが根拠か)の分析
  • 質問・調べものの傾向分析
  • 競合がAI上でどう見えているかの分析
  • AI上の評判管理
  • AI経由の売上へのつながり計測

SEO市場が「順位ツール → コンテンツ → 技術対策 → 大企業向け」と分かれていったのと似た道です。勝ち筋は「引用数のグラフ」より、マーケの判断と売上までつながる使い方側に寄る可能性が高い、というのが本稿の見方です。

よくある質問

GEOとは何ですか?
生成AIの回答内で、自社ブランドやコンテンツが言及・引用・推薦されやすい状態をつくる取り組みです。SEOの完全な代わりではなく、検索に載ることを前提にした足し算に近い位置づけです。
AI Visibilityとは何ですか?
生成AIの回答でブランド・商品・企業がどの程度登場・引用・推薦されているかを把握する考え方です。業界共通の一つの公式スコアはなく、ツールごとに測り方が異なります。
GEOツールとは何ですか?
AI回答における言及・引用・競合比較などを監視し、必要に応じて改善や運用を支援するソフトです。AEOツール、AI Visibilityツールとも呼ばれます。
SEOツールとGEOツールの違いは?
SEOツールは主に検索結果の順位・アクセス・被リンクを測ります。GEOツールは生成AIの回答内の見え方(言及・引用・推薦など)を測ります。実務では両方使うのが基本です。
Profoundの調達は何を意味しますか?
AI回答での見え方や、AI時代のマーケ支援ソフトに、大きな投資マネーが集まり始めているという市場のサインです。特定ツールの成功保証や、SEO終了の証明ではありません。

まとめ

Profoundの大型調達は、「新しい検索エンジンが生まれた」ニュースというより、AI回答という見つけてもらう場所を測るマーケソフトが、一つのSaaS市場として立ち上がり始めたサインです。

企業側がやるべきことは、ツール名を追うことより次の3つです。

  1. お客さんに聞かれそうな質問を先に決める(例: 「〇〇向けの△△ツールは?」「AとBの違いは?」)
  2. 数字を混ぜない。「AIに名前が出たか」と「サイトに来たか」と「問い合わせ・売上になったか」は別物として見る
  3. これまでどおりのSEO(検索に載ること)を止めず、その上にGEOを足す

「AIに出た回数」だけで良し悪しを判断しないこと。出たあとに、実際の問い合わせや売上までつながっているかを分けて見る、というのが実務のコツです。

GEO版Ahrefsはまだ確定していません。だからこそ今は、手動でもよいので「自社カテゴリでAIに何と答えられているか」を見に行くところからで十分です。

参考・出典

  1. Profound Raises $180M Series D at $1.8B Valuation(Profound) 2026-09-15
  2. Building the AI platform for marketing(Profound) 2026-09-16
  3. Profound Hits $1.8 Billion Value to Boost Brands in AI Search(Bloomberg) 2026-09-15
  4. Almost 90 new unicorns have been minted so far this year — here they are(TechCrunch) 2026-07-05